「民泊代行会社が対応しないゲストの不満をAirporterが解決」Airporter 泉谷邦雄氏

 

民泊に関連する新たなサービスが日々登場するなかで、それまで着手されていなかった領域で展開し、急速に拡大しているサービスがある。訪日外国人旅行者をメインターゲットとした空港と宿泊施設間の手荷物を当日配送するサービス「Airporter」だ。今年4月にサービスをリリースし、提携する物件数はすでに東京で1,500件、大阪では300件を超える。

今回は、Airporter事業部長の泉谷邦雄氏にご協力頂き、サービスの概要やホストが「Airporter」を導入するメリットとは何かについて話を伺った。

LCC利用増加によるギャップと旅行者の不満増

Airporter」とは、どのようなサービスなのでしょうか? 

エアポーターは非常にシンプルなサービスです。一言でいうと、宿泊施設と空港の間の荷物を当日配送するサービスです。誰のため、誰に喜ばれるサービスなのかという点については、旅行者の方に向けたサービスになっています。旅行者の方の観光時間を増やせるのが、このサービスのポイントになります。

「Airporetr」を始めた背景には大きな理由が2つあります。

1つは、今、訪日旅行外国人が非常に増えています。彼らが増えれば、当然宿泊需要は高くなります。そして、最近の傾向として訪日旅行者の多くがLCCを利用して日本へ来ています。この2つ、宿泊者とLCCをはじめとする夜便の利用者が増えれば増えるほど、あるギャップが生まれます。それが何かというと、ホテルをチェックアウトしたあと、飛行機にチェックインするまでに、大量の荷物を預けることができずに大荷物を抱えた状態で残りの期間を過ごさなければならなくなることです。

なぜそのような状態になってしまうのか。ホテルに泊まった、民泊施設に泊まった、どちらの場合も朝10時や11時にはチェックアウトしなければいけません。しかし、飛行機が夕方もしくは深夜便だったりすることが多く、それまでの間はどうしても荷物の置く場所がない状態になります。「Airporter」を通して、こうした旅行者の悩み・不満を解決できればと考えています。

もう1つについてですが、いま民泊業界の競争が非常に激化しており、価格競争が避けられない状況となっています。その時にリスクとコストゼロで旅行者・顧客の満足度を上げられるサービスがあったら良いのではないかと思いました。民泊ホストは「Airporter」を無料で導入することができます。そして、今までは大荷物を抱えたままだった旅行者の不満を解決することで、ホストの評価を引き上げることにもつながります。サービスを始めてから、3ヶ月程になりますが、非常にご好評頂いておりまして、現在は都内で約1,500物件、大阪では約300物件と提携させて頂いております。

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外国人旅行者が「荷物を預けること」の難しさ

- 荷物を預ける方法は他にもあると思うのですが、「Airporter」でなければ解決できないことは何でしょうか?

「Airporter」を代替するものはいくつかあります。

1つはコインロッカーです。実はこのサービスを始める前は、旅行者にコインロッカーを利用するように勧めていました。僕自身は良かれと思って、旅行者にコインロッカーを勧めていたのですが、「あなたが教えてくれたロッカーはどこも空いていなかった!」「周辺のロッカーも全部埋まってるじゃない!」とクレームで返ってくることがありました。

もう1つは、配送業者に依頼する方法です。コインロッカーが空いていない状況を知り、これはまずいなと感じ、宅配業者に依頼しようと思ったのですが、そこで別の問題が出てきました。コインロッカーは空きがないことが多いですし、預けられるかどうかは直接行って確認してみないとわかりません。それならば、配送してしまえば良いかと思い、大手の会社さん数社に電話をかけました。

その電話口で、僕は「大きいのが3つと中くらいのが2つです」って伝えたのですが、先方の担当者の方からは「それだと分かりませんので、きちんと長さと重さを測って頂けますか?」と言われました。長さ・重さを測ろうにも、メジャーも量りを持っていなかったので、結局、配送を依頼することはできませんでした。仮に、旅行者の方が配送業者に依頼したいと思っても、外国語で対応できる業者はありませんし、荷物の大きさを測る道具を持っている方はほとんどいませんので、外国人旅行者にとっては実質不可能なものであると分かりました。

もっと安いところが無いのか、と思い他にもいくつか配送業者を探すと非常に安いところがあったのですが、荷物の集荷の依頼期日が1日・2日前までとなっていました。旅行者によっては2日前というのは、ホテルに到着した日かもしれません。入国したその日に荷物を預けるというのは無理ですよね。ただ、業界の方とお付き合いするようになって、仕組み上、そうせざるを得ないということも分かったのですが、それでもやはり外国人旅行者は帰る日の朝に荷物を預けて、運んでほしいと思っています。そのニーズに応えるサービスが無いなと思い、スタートさせたのが、このサービスの発端ですね。

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中国・台湾・香港からの旅行者から反響

- 利用者は訪日旅行者ということですが、どこの国の人からの利用が多いなど、何か傾向はありますか?

欧米の方はバケーションが長いので、荷物は大型化しやすいだろうなと思うのですが、「Airporter」の注文を見ていると、欧米の方からのものはほとんどありません。僕たちが提携しているお部屋が今たまたま欧米人の利用が少ないのかもしれませんが、やはり中国、香港、台湾の方からの注文が多いです。

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「Airporter」が予約の決め手に

- 「Airporter」は旅行者にとって非常に便利なサービスですね。一方で、ホストにとってはどんなメリットがあるのでしょうか?

ゲスト視点のメリットに注目されがちなのですが、実はホストの方がゲストに「Airporter」を案内することでメリットを得ることができます。例えば、お部屋の稼働率が上がるという点は非常に大きなメリットなのではないでしょうか。これは実際にあった例なのですが、中国人8名様での宿泊を検討されている方で、「7月1日の早朝6時に空港に着くんだけど、あなたの部屋ではアーリーチェックインできますか?」というリクエストを頂きました。何度か応対を繰り返していくうちに、アーリーチェックインが本当の目的ではなく、荷物を預かってくれたら嬉しいと思っていることが分かりました。「Airporter」を案内し、無事に予約して頂くことができたのですが、実はこの方は他にも同時に5つの物件に同様のリクエストを出していたらしいのですが、どこもアーリーチェックインと荷物預かりを断ったようで、結果的にはAirporterを導入している物件だけがリクエストに対応したため、予約することに決めたとおっしゃっていました。そして、この方はレビューも書いてくれて、すごく良い内容で評価して頂けました。

「Airporter」があることで、他5つの部屋では獲得できなかった予約を獲得することができ、かつ、予約獲得に非常に効果的な5星レビューを獲得することもできました。最近では、写真映えを意識したかっこいい・おしゃれな部屋が多く、Airbnb上での差別化がしにくくなってきているので、差別化のツールとしても非常に効果的なのではないかと思います。

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フライト情報でゲストの入室時刻を予測

- 「Airporter」を使って、稼働率UPやゲスト満足度を上げるコツはありますか?

あります!僕たちの中でコツが3つほどあります。

まずは、お客様に問いかけてあげないといけません。お客様にメールをするにしても、広い質問をするように心がけています。たとえば、「荷物でお困りのことは・・・」と聞くのではなく、何かお困りごとはありませんか?」 と聞くようにしています。「荷物でお困りのことは…」と聞いても、限定しすぎてしまいますからね。具体例を挙げると「おいしい神戸牛はどこで食べられますか?」といった類の質問を頂くこともありましたが、それらの質問にもきちんと対応しました笑。荷物を預るだけがAirporterのサービスではなく、お客様が荷物を預けた後の時間の活用を提案、デザインするまでがAirporterのサービスだと考えています。実際、荷物を預けたあとに、「どこに行けば良いか」と問い合わせ頂く方は少なくありません。

あとは、フライト情報を聞くことが大事です。それがわかると何時頃に入室するのかを予測することができます。チェックイン可能な時間は15時以降です、しかしフライト情報を確認すると朝の6時に空港に到着する予定になっている。ここのギャップが把握できれば、提案のチャンスです。帰国する際も同じで、フライト情報を教えてもらって、22時の便だったりするとチャンスです。「フライト情報」におもてなしのチャンスが埋まっているということは意外と知られていないかもしれません。

そして、最も大事なのが、「中国語のチャット」対応です。1ヶ月に5組から8組ほど泊まるとすると、そのうち20%程度、1ヶ月に1組か2組くらいが「Airporter」を利用してくれます。提携先を見ていると、20%という数値にはとてもばらつきがあるのですが、中国語でチャットを利用して、お客様に問いかけをしているかどうかが、利用率を左右する大きなポイントになっていると思います。実際、JNTO提供の「手ぶら」観光HPへのアクセスの割合をみると、香港と台湾の方で50%を超えます。次いで、タイからのアクセスが7%です。自国における「手ぶら観光」の習慣があるかどうかが大事で、中国語対応ができれば、サービスを欲している50%超の方にアクセスが可能です。だから、英語も良いですが、カタコトでも中国語を用いるいと喜ばれるかもしれません。

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取材を通して

「荷物を空港まで配送するサービス」。こう書けば、非常に簡単なものに感じる。しかし、実際には荷物に関する不満を抱えた外国人旅行者が多数存在し、リリースと同時に大きな反響を呼んでいる。それに加え、三方よしと言えるビジネルモデルが非常に魅力的だ。「Airporter」をゲストに案内すれば、今までは対応できなかったアーリーチェックインや荷物預かり・配送といったニーズに対応することができるため、ホストに対する印象を上げることができ、レビュー評価をあげるチャンスを得ることができる。「Airporter」を導入するだけで、他民泊施設との差別化を図ることができ、導入するためのコストは無料だ。まだ導入していないホストは、一度検討してみてはいかがだろうか。